NETIS(ネティス)とは?建設のプロが教えるメリットと工事成績アップの活用術

NETIS(ネティス)とは?建設のプロが教えるメリットと工事成績アップの活用術

 

NETIS(ネティス)という言葉を、業務のなかで耳にする機会が増えていませんか。 

公共工事の入札で有利になると聞くけれど、具体的にどう活用すれば良いのか分からない。
自社で開発した優れた技術を登録したいが、手続きやメリットが複雑で一歩踏み出せない。
もし、あなたがこのような疑問や課題をお持ちなら、この記事がきっとお役に立ちます。 

この記事では、建設業界のプロが、NETISの基本から実践的な活用術までを分かりやすく解説します。 

 

  • NETIS制度の正確な意味と目的 
  • 技術開発者、施工業者、発注者それぞれの立場から見た具体的なメリット 
  • 技術選定で失敗しないための登録番号・評価記号の読み解き方 
  • 明日からできるNETIS活用の具体的なステップ 

 

制度の全体像を正しく理解し、自社のビジネスを加速させるヒントを見つけてください。 

そもそもNETIS(ネティス)とは?国が推進する新技術情報提供システム 

NETIS《ネティス》とは、国土交通省が運用する、新技術の情報を集約したデータベースシステムのことです。
正式名称や目的を理解することで、制度の全体像が掴みやすくなります。 

 

用語  読み  意味 
NETIS  ネティス  New Technology Information System(新技術情報提供システム)の頭文字を取った略称。 

 

このシステムは、民間企業などが開発した優れた新技術を公共工事で積極的に活用することを目指しています。
その目的は多岐にわたりますが、主に以下の点が挙げられます。 

 

  • 建設工事の品質向上 
  • コストの削減 
  • 工期の短縮 
  • 安全性の確保 
  • 環境負荷の低減 

 

単に技術情報を集めたデータベースではなく、これらの目的を達成することで建設業界全体の生産性向上を後押しする、重要な仕組みなのです。 

【立場別】NETISを活用する3つのメリット|受注・開発・発注の視点から 

NETISを活用するメリットは、あなたのビジネス上の立場によって異なります。
技術を「開発する側」「使う側」「発注する側」のそれぞれに、大きな利点があります。 

ここでは、以下の3つの視点から、具体的なメリットを詳しく見ていきましょう。 

 

  • 技術開発者(メーカー)側:新技術のPRと販路拡大 
  • 施工業者(ゼネコン・サブコン)側:公共工事の受注競争で有利に 
  • 発注者(官公庁)側:品質向上・コスト削減・工期短縮の実現 

 

技術開発者(メーカー)側:新技術のPRと販路拡大 

自社で開発した新技術や新工法を持つメーカーにとって、NETISへの登録は事業拡大の大きなチャンスとなります。
主なメリットは以下の通りです。 

 

  • 国のお墨付きによる信頼性の向上
    国土交通省のシステムに登録されることで、技術の信頼性が客観的に示されます。
    これは、営業活動において強力なアピールポイントとなります。 
  • 全国の公共工事へのPR効果
    NETISに登録された技術は、公式サイトを通じて全国の建設業者や発注者に向けて公開されます。
    自社で行う営業活動だけではアプローチが難しかった層にも、技術を知ってもらう機会が生まれます。 
  • 活用機会の増大による実績構築
    公共工事で活用されることで、技術の実績を着実に積み重ねることができます。
    豊富な実績は、さらなる技術改良や新たなビジネスチャンスへと繋がるでしょう。 

施工業者(ゼネコン・サブコン)側:公共工事の受注競争で有利に 

公共工事の受注を目指す施工業者にとって、NETISの活用は受注競争を勝ち抜くための強力な武器となります。
その理由は、主に2つの評価制度にあります。 

 

  • メリット1:総合評価落札方式での加点
    多くの公共工事で採用されている「総合評価落札方式」では、価格だけでなく技術力も評価されます。
    NETIS登録技術の活用を提案することで、この技術評価点が加算され、受注の可能性が高まります。 
  • メリット2:工事成績評定点の向上
    受注した工事でNETIS登録技術を活用し、良好な結果を出すと「工事成績評定点」が加算されます。
    この評定点は、その後の入札参加資格などで有利に働くため、継続的な受注に繋がります。 

発注者(官公庁)側:品質向上・コスト削減・工期短縮の実現 

国や地方自治体といった公共工事の発注者にとっても、NETISの活用は大きなメリットをもたらします。
発注者は、より良い社会インフラを整備するという重要な役割を担っています。 

 

  • 最新・最適な技術の導入
    NETISを活用することで、コスト削減や工期短縮、安全性向上といった課題を解決する最新技術を効率的に探すことができます。 
  • 工事品質の向上
    客観的に評価された優れた技術を選定・採用することで、担当する公共工事の品質を担保しやすくなります。 
  • 住民への説明責任
    税金を使って行われる公共事業において、なぜその技術を採用したのかを客観的なデータに基づいて説明しやすくなります。 

【最重要】NETIS登録番号と評価記号の意味|「VE」評価の技術は要チェック 

NETISに登録されている膨大な技術情報の中から、本当に価値のあるものを見つけ出すには、情報の「読み解き方」を知る必要があります。
ここでは、技術のIDとも言える「登録番号」と、その信頼性を示す「評価記号」について解説します。
特に、評価記号の理解は、技術選定における失敗のリスクを大きく減らします。 

登録番号(KT-230145など)から読み取れる情報 

NETISの登録番号は、アルファベットと数字の組み合わせで構成されており、それぞれに意味があります。
例えば、「KT-230145-VE」という番号を見てみましょう。 

 

番号部分  意味  解説 
KT  登録機関  登録申請を受理した地方整備局などを示します。(例:KTは関東地方整備局) 
-23  登録年度  西暦の下2桁を示します。(例:23は2023年度登録) 
0145  登録連番  その年度に登録された技術の通し番号です。 
-VE  評価記号  技術の評価状況を示します。(詳細は次項で解説) 

 

この番号を見るだけで、「2023年度に関東地方整備局で登録された技術だな」ということが一目で分かります。 

評価記号(-A, -VR, -VE)の違いと技術選定のポイント 

登録番号の末尾に付くアルファベットは、その技術がどのような評価段階にあるかを示す重要な記号です。
技術選定の際は、この記号に必ず注目してください。 

 

評価記号  意味  選定のポイント 
-A  Application 

(申請) 

NETISに登録された技術。評価が一定数以下のため、今後現場での使用が期待されます。 
-VR  Value Re 

(再評価) 

NETIS登録後、現場にて活用評価実施済。調査結果不足や、経年確認が必要とされた技術。 
-VE  Value End 

(評価終了) 

 

NETIS登録後、現場にて活用評価実施済の継続調査不要の技術。 

 

 

受注者(ゼネコン)のNETIS使用における工事成績評定への加点は、Aの技術とVの技術でベースが変わってきます。 

Aの技術の方が評価(口コミ)が少ないため、現場で使用していただければベース点が少し高いです。また、評価内容によって 点数も変わります。 

Vの技術は評価実施済のため、Aより加点のベースが少ないです。しかし、有用とされる技術を使用した場合は+1点の加点があります。(推奨技術、準推奨技術、活用促進技術、評価促進技術。) 

NETIS登録技術の探し方と活用までの5ステップ 

それでは、実際にNETISを活用するにはどうすれば良いのでしょうか。
ここでは、公式サイトで技術を探し、現場で活用するまでの流れを5つのステップに分けて解説します。 

 

  1. NETISウェブサイトで技術を検索する
    まずはNETISの公式サイトにアクセスし、自社の工事内容や解決したい課題に合った技術を探します。
    工種やフリーキーワード、期待できる効果など、様々な条件で検索が可能です。 
  2. 技術情報を詳しく比較・検討する
    検索して見つかった技術の中から、複数の候補を比較検討します。
    この時、前述した「-VE」評価が付いているか、活用実績は十分か、といった点を重点的にチェックしましょう。 
  3. 新技術活用計画を作成・提出する
    採用する技術が決まったら、その技術をどのように工事で活用するのかをまとめた「新技術活用計画書」を作成し、発注者に提出します。 
  4. 現場で技術を活用・効果を記録する
    計画書に沿って、実際に現場で新技術を活用します。
    活用にあたっては、従来技術と比較してどのような効果があったのか(コスト、工期、品質など)を客観的なデータとして記録しておくことが重要です。 
  5. 活用効果調査票を提出する(A, VRの場合)
    もし「-A」または「-VR」評価の技術を活用した場合は、工事完了後に「活用効果調査票」を作成し、提出する必要があります。
    この調査票が、その後の技術評価(-VE評価に繋がるか)の重要な資料となります。 

【独自情報】NETIS登録済!現場の課題を解決するKATECSの革新的技術例 

NETIS登録技術が、実際の現場でどのように課題を解決するのか、イメージしにくい方もいるかもしれません。
ここでは、私たち株式会社KATECSが開発し、NETISに登録されている革新的な製品・技術を例にご紹介します。 

 

製品・技術名  NETIS

登録番号 

解決できる課題  導入メリット 
HIPREXボルト  KK-170049-VE  トンネル工事でのボルトの緩み、漏水  -VE評価取得済。従来工法より高い止水性能と

施工時間の大幅な短縮を両立。 

 薬液注入可視化システム

GroutViz 

KK-240108-A 地盤改良工事での品質管理の属人化  薬液注入状況を3Dでリアルタイムに可視化。

施工品質の向上と管理の効率化を実現。 

突起レスロックボルト  CG-160012-VE  突起部に起因する覆工コンクリート施工上の課題  覆工コンクリート打設時における

防水シートの破損を防止。

覆工コンクリートのひび割れを抑制。 

 

このように、NETIS登録技術は、具体的な現場の課題を解決するためのソリューションです。
自社の工事で抱えている課題と照らし合わせながら技術を探すことで、最適なものが見つかる可能性が高まるでしょう。 

NETIS活用で失敗しないための注意点と今後の課題 

NETISは非常に有用な制度ですが、そのメリットを最大限に引き出すためには、いくつかの注意点を理解しておく必要があります。 

活用する上での注意点 

  • 評価情報を必ず確認する
    「-A」評価の技術は、まだ客観的な評価が定まっていません。
    開発者の申請情報だけでなく、必ず評価情報を確認し、信頼性を見極めることが重要です。 
  • 加点には有効期限がある
    工事成績評定での加点は、技術の登録時期によって有効期限が設けられています。
    活用を検討する際は、その技術が加点対象期間内であるかを確認しましょう。 
  • 現場の条件に合うか検討する
    NETISに掲載されている効果は、あくまで一般的な条件下でのものです。
    自社の現場の土質や環境などの諸条件に、その技術が本当に適合するかを慎重に検討する必要があります。 

NETIS制度自体の課題 

また、利用者からはNETIS制度自体に以下のような課題も指摘されています。 

 

  • サイトの検索性が低く、目的の技術を見つけにくい 
  • 客観的評価が完了した「-VE」評価の技術がまだ少ない 
  • 地方自治体によって活用の度合いに差がある 

 

これらの点を理解した上で、制度を戦略的に活用していく視点が求められます。 

まとめ:NETISを戦略的に活用し、公共工事ビジネスを加速させよう 

この記事では、NETISの基本からメリット、そして実践的な活用法までを網羅的に解説しました。
最後に、重要なポイントを振り返ります。 

 

  • NETISは、公共工事の品質向上やコスト削減などを目指す国土交通省の新技術情報提供システムです。 
  • 施工業者には「入札での加点」、技術開発者には「販路拡大」など、それぞれの立場で明確なメリットがあります。 
  • 技術選定の際は、客観的な評価が完了した「-VE」評価の技術に注目することが成功のカギです。 

 

NETISは、もはや単なる情報データベースではありません。
公共工事の受注競争を勝ち抜き、自社の技術力を高め、業務の質と効率を向上させるための「戦略的ツール」です。 

まずはNETIS公式サイトを訪れ、あなたの現場の課題を解決できそうな新技術を探すことから始めてみてはいかがでしょうか。 

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