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公共工事の入札や業務効率化を進めるうえで、「NETIS」の活用を検討されている方も多いのではないでしょうか。
総合評価落札方式で有利になる、コストや工期を改善できる、といったメリットは知っていても、その評価の仕組みは少し複雑です。
「A評価やVE評価って、具体的に何が違うの?」
「どの技術を選べば、工事成績の加点に繋がるのだろう?」
「そもそも事後評価って何をすればいいの?」
このような疑問から、技術選定に踏み切れずにいる担当者様も少なくありません。
この記事では、NETIS評価の全体像から、A・VR・VEといった評価ランクごとの具体的な違い、そして公共工事で有利になる活用法までを分かりやすく解説します。
最後まで読めば、NETISを戦略的に活用し、競合他社に差をつけるための知識が身につくはずです。
NETIS《ネティス》(New Technology Information System)とは、国土交通省が運用する、公共工事で活用できる新技術を集約したデータベースシステムのことです。
正式名称を新技術情報提供システム《しんぎじゅつじょうほうていきょうしすてむ》といいます。
このシステムの目的は、有用な新技術の情報を誰もが簡単に入手し、公平に活用できるように共有を促進することです。
NETISに登録された技術を活用することで、工事の生産性や品質を向上させ、コスト縮減や工期短縮といった効果が期待できます。
発注者である官公庁と、受注者である建設会社双方にとって、公共工事をより良く進めるための重要な仕組みとなっています。
NETISに登録された技術は、その活用状況や効果に応じて評価がランク付けされます。
この評価を正しく理解することが、技術選定の第一歩です。
主な評価には「A」「VR」「VE」の3種類があり、それぞれ意味合いが大きく異なります。
それぞれの評価の違いを以下の表にまとめました。
| 評価種類 | 位置づけ | 掲載期間(登録翌年度から) |
| A (旧A評価) | 新規登録された技術 | 10年間 |
| VR | 活用効果を調査中の技術 | 10年間 |
| VE | 活用効果が確定した有用な技術 | 10年間 |
NETIS登録技術を活用することは、受注者・発注者双方にとって多くのメリットをもたらします。
特に受注者にとっては、企業の競争力を直接的に高める強力な武器となります。
ここでは主なメリットと、活用する上での注意点を解説します。
もちろん、メリットばかりではありません。
活用にあたっては、以下の点に注意が必要です。
| デメリット(注意点) | 内容 | 対策 |
| 登録・申請の手間とコスト | 登録には申請準備や審査にまとまった費用と期間がかかるとされており、一般的には数か月単位の時間や数十万円規模のコストが発生する可能性があります。 | 申請手続きの負担を軽減するために、専門の申請代行サービスを利用する。 |
| 事後評価への対応 | 技術を活用した後は、効果に関するデータを収集し、事後評価に対応する必要があります。 | データ収集・分析ツールを導入し、日頃から効率的にデータを蓄積する体制を整える。 |
| VE評価のハードル | 最高のVE評価を得るには、多くの活用実績と、有用性を示す客観的なデータが求められます。 | 技術の継続的な改善と改良を重ね、VE評価取得に向けた専門コンサルティングを活用する。 |
NETISの最高ランクである「VE評価」は、具体的にどのような技術が取得しているのでしょうか。
その一例として、半世紀にわたり社会インフラを支えてきた建設資材の総合商社、株式会社KATECSの独自技術をご紹介します。
同社が開発した注入式ロックボルトのコーキングシステム「HIPREXボルト」 は、NETISにおいてVE評価を獲得した【活用促進技術】です。従来はウレタン系コーキング剤を充填していた注入式ロックボルトの口元部分に、注入と同時に膨張するラバーパッカーを採用。これにより高いコーキング効果を実現し、さらにコーキング作業自体を省略できるため、施工時間の短縮にもつながります。
このように、明確な課題解決と高い効果が客観的に証明された技術こそが、VE評価を獲得できるのです。
NETISを取り巻く環境は、年々重要性を増しています。
最新の動向を把握し、時代の変化に対応することが不可欠です。
これらの動向からも分かるように、NETISの活用はもはや選択肢の一つではなく、公共工事に携わる企業にとって必須の戦略となっています。
本記事では、NETIS評価の仕組みから、A・VR・VE評価の違い、活用のメリット、そして最新動向までを解説しました。
複雑に見えるNETIS評価ですが、その本質を理解し、自社の目的に合わせて戦略的に技術を選定・活用することが、今後の公共工事で勝ち抜くための鍵となります。
この記事が、皆様の技術選定や事業戦略の一助となれば幸いです。